ショーハンドリング&グルーミング

 JKCのショーでは、会員ならびにその家族という規定がありますが、AKCでは、会員資格がありませんので日本から行っても、どのショーにでもハンドリングは可能です。

 アメリカのショーでは、そのほとんどが、プロフェッショナルか、ブリーダーハンドラーです。

 プロハンドラーは主にボーディングケネルとしてオーナーの犬達を管理し、ショースケジュールを組んでハンドラーとして業務を行っています。

 ブリーダーハンドラーは、ケネルで産まれた犬達を新オーナーに渡して、その犬を管理してショーイングしています。

 どちらにしても、プロハンドラーとしては変わり有りませんが、ブリーダーハンドラーは一犬種を主にブリーディングしているので、犬種に対する認識は高いものを持っています。


 ハンドリング

 ハンドリングとは、犬にリードを付けて連れて歩くことを言いますが、ショーハンドリングはその歩かせる事の他に、犬を見せることを加味しなければなりません。

 一回のショーでわずか2〜3分ほどの時間の中で的確に犬の資質を最大限にアピールする能力が必要になって来ます。

 通常ドッグショーでは犬はハンドラーの左側を歩くのが基本ですので左手指先にあるリードには、細かい注意が必要です。

 この細いリードによって犬はハンドラーにコントロールされ、ハンドラーは左手指先の感覚によって犬をたやすくコントロールされなければならないからです。

 いずれにしてもハンドリングは、ハンドラーと犬の呼吸がぴったりと合った時に良い結果が産まれて来るものだと思います。


 私のハンドリングの実際

 私がハンドリングに興味を持ったのは、あるドッグショーでのことです。

 「たまには自分でハンドリングしてみたら?」という勧めが合った時に運良く良い賞を取ってしまった時からで、その時からアマチュアハンドラーとして、ドッグショーでハンドリングする事が始まったのです。

 当時は、職業としてハンドリングしているプロハンドラーに混ざってアマチュアハンドラーが多数見受けられましたが、現在のドッグショーは、セミプロを含めて、その殆どがプロのように思われます。

 私は、1990年よりプロとしてボーデインリング及びハンドリングを始め、その間に公認A級ライセンスを取得。

 プロも始めはビギナーです。

 始めから犬をうまくハンドリング出来た訳では有りません。

 たゆまぬ努力と勉強によって、だんだんと上達していく訳です。


 ショーグルーミング

 ショーでは、ただ犬にリードを付けて出陳すれば良いものではありません。

 出陳する以前にやるべき事がたくさんあるのです。

 始めにショードッグとして使えるのかの見極めです。

 仔犬の頃からの観察が必要です。

 60日から150日位までの間に気になる所をチェックして行くことです。

 もちろんその間にショーマナーの訓練を終えておくべきです。

 こうして選び抜かれたショービーグルを出陳する段階になったら次に行うのがショーグルーミングなのです。

 もちろんそれまでに、各部所のグルーミングを怠ることは出来ません。



グルーミングに必要な道具は以下のようなものです。

 ・コーム  ・バリカン  ・0.5mm〜5.0mm 刃  ・仕上げハサミ
 ・ボブハサミ  ・スキハサミ  ・爪切り  ・ネイルグラインダー
 ・コートナイフ各種  ・ストーン  ・各種シャンプー  ・その他



‡@ 3〜5mmのクリッパーで、アゴ下より胸骨下までを自然な状態に落としていく

‡A ‡@で落とした両サイドの段差をスキハサミで、細かく丁寧に落としていく

‡B 1mmのクリッパーで腹のコートをきれいに取り、後肢の内側も同じく落としていく
  タックの余分な毛は取り除く

‡C バックも同じようにクリッパーをかけて、スキハサミにて自然に見えるように整える

‡D パットは爪切りを行い、グラインダーで元まで削っていく
  指間の毛とパットの裏は全て取り除く

‡E テールの先は、スタンディング状態にて、ヘッドより高い位置でスキハサミで先端を丸く作り仕上げる

‡F コートナイフ、ストーンでコートコンディションの作業を行う

‡G 各色用のシャンプーで、白、黒、茶の部分を洗い分ける

 注意

以上の順ですが、全ての犬体が同じではありませんので、グルーミングに入る前に行う犬体をよく知ることが大切です
犬体によっては、ハサミ、クリッパーの入れ方や落とす範囲が違ってくるものです。